恒星からのガンマ線とらえる=日米欧の観測衛星−広島大など(時事通信)
広島大などの研究チームは、日米欧の天文衛星「フェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡」を使った観測で、りゅうこつ座の方角にある銀河系内最大級の恒星からとみられるガンマ線(高エネルギーの電磁波)を観測した。恒星からのガンマ線観測は、太陽フレア(表面の爆発現象)以外では初めてだという。24日からの日本天文学会春季年会で発表される。
従来の観測では、りゅうこつ座の方角に強いガンマ線源があることは分かっていたが、正確な位置は特定されていなかった。
広島大宇宙科学センターの高橋弘充特任助教らは、従来のものより10〜100倍高い観測能力を持つフェルミ衛星を使い、このガンマ線源が太陽の100倍近い質量を持つりゅうこつ座エータ星付近にあることを突き止めた。
エータ星は地球から約7500光年離れた銀河系内最大級の恒星で、5.5年の周期で公転する巨大な伴星を伴う連星。研究チームは、エータ星と伴星が吹き出す高速の粒子(星風)が相互に衝突し、そのエネルギーの一部がガンマ線として放射されると推測している。
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